桃井望殺人事件

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殺害された桃井 望
殺害された桃井 望と酒井宏樹さん

桃井望殺人事件とは、AV女優桃井望と元交際相手で内装会社の酒井宏樹さん(24)が2002年に殺害された事件である。

他殺であることが明確であるにもかかわらず、長野県警無理心中と処理した。

事件概要[編集]

2002年10月12日夜、長野県塩尻市広丘郷原の奈良井川河川敷にて、乗用車が炎上しているとの通報があり、消防の出動などにより間もなく鎮火したものの、灯油をかけて燃やされた車内外から男女の遺体が発見され、このうち女性の方が桃井望である事が判明した。

焼損の激しさ及び消火活動によって現場近くが踏み荒らされ、検証は困難であったが、彼女の死因が数か所におよぶ刺傷によるものであった事から、警察では現在も酒井宏樹さんによる無理心中殺人の両面から捜査している。心中とすると下記の点が矛盾する。

  • が自宅に残されていた (2人とも裸足だった)
  • 自宅のPCの電源が入っていたままであった
  • 運転者及び自動車の所有者の酒井宏樹さん (桃井は自動車運転免許を持っていなかった)が後部座席で発見された事
  • 酒井宏樹さんは車内、桃井は車外で発見された
  • 2人とも事件以降の日に知人と会う約束をしている
  • 灯油を撒いて着火したにも関わらず、灯油を入れたと思われる容器が発見されなかった
  • 2人ともをほとんど吸い込んでおらず、焼死の可能性が低い事
  • 酒井宏樹さんは事件の数か月前に80万円を貸しているが、借用書に記された名前の人物は存在しない
  • 桃井の身体にあった刺し傷をつけたと思われる包丁が、酒井宏樹さんの左手に握られていた事 (酒井宏樹さんは右利き)

また、長野県警察が最初に事件を「無理心中」と判断し、酒井宏樹さんの遺族にその旨を告げていた事が遺族の発言によって明らかになった。

同年11月、酒井宏樹さんの両親は「無理心中は考えられない」として被疑者不詳のまま殺人罪告訴し、翌年1月に受理された。同年4月には酒井宏樹さんの友人が中心となって集めた、殺人事件としての捜査を求める約1万人分の署名が、長野県知事に手渡されている。県警に捜査本部設置を求める行政訴訟は、却下された。

酒井宏樹さんが契約していた保険会社は「支払い責任開始から2年以内の自殺 (心中)だから支払い義務はない」と保険金支払いを拒否したので、酒井宏樹さんの両親は「何者かに殺害された」として2003年12月に民事訴訟を起こし、保険会社に支払いを求めていた。2007年1月23日、長野地方裁判所飯田支部は「周囲の状況から見て、複数犯であれば殺害可能であり、第三者による他殺」と認定し、保険金の支払いを命じた。民事裁判にて「他殺」と認定されたかたちである。民事裁判では刑事裁判にくらべて事実認定は非常にゆるやかであり、刑事裁判の方が厳密とされるが、本件では警察の処分とは明確に異なる無理心中から他殺という判断がされている。

発見される数時間前に電話[編集]

桃井は小学生のころ、長野県伊那市に引っ越し、高校まで地元で過ごし、東京都内のアパートで一人暮らしをしていた。

「東京の短大に進学後、栄養士を目指し専門学校に移り、平成12年ごろからAV界入りした。彼女は男性と同じ高校の1年下で、顔見知りだった。今年に入って再会、男性の方は当時付き合っていた彼女と別れ、(桃井さんと)本格的な交際を始めたばかりだったのに…」(知人)

司法解剖で桃井のわき腹や背中に刺し傷が四ヵ所発見された。車内では包丁も発見。警察の捜査は無理心中のほうに傾いていった。つまり酒井が桃井を刺殺した後に、彼女の遺体に灯油をかけて火をつけ、自分も灯油をかぶって後追い焼身自殺をしたというのだ。

地元記者がこう説明する。

「酒井さんはバンドをやっていたのですが、焼死体で発見される数時間前に友人に電話をかけ、ライブの誘いをしているんです。友人達の話でも、彼の様子は普段と変わらずに陽気だったと言います。桃井さんとの交際もうまくいってたらしく、死亡当日に二人で撮影した仲睦まじい写真が発見されています。無理心中を決行するには、あまりに突飛な感を否めませんね。また、遺体で発見されたとき桃井さんは素足だったこと、車のカギだけが酒井さんのキーホルダーから外されていたことなども不自然ですね」

桃井は、「仕事で金銭的な問題を抱えていたみたい」「亡くなった会社員とは別の男性と交際し、トラブルがあったようだ」といった話が囁かれるようになった。捜査関係者によるとその交際中の男性には当日のアリバイがあったという。

AV業界に詳しいライターT氏は噂と前置きしたうえで次のようなことを語った。

「あれは絶対に他殺。業界関係者ならだれもがそう思っているはずです。一部では一緒に亡くなった男性に原因があり、桃井さんはその巻き添えを食らったみたいな報道もありましたが、本当はその逆のような気がするんです。ホラ、この世界って裏はいろいろありますし」

事実、恋人の酒井宏樹さんはマルチ商法に手を出し、多額の借金を背負っていたことが発覚。しかし、警察の事情聴取での結果はシロだったという。

「さすがに誰が犯人かまではわかりません。ただ、彼女のラインで考えられるものは個人的な恨みや仕事上のトラブル、もしくは熱狂的なストーカーによる犯行か。僕自身、2番目(仕事上のトラブル)と3番目の噂(ストーカー)は聞いたことがあります」

桃井望の仕事上のトラブルに関する噂とは、彼女のバックで”何者か”が暗躍。無理やり仕事を強要していたのではないかというもの。

「彼女、出演本数が異常に多いんです。その数は1年半で200本以上になり、1週間に約3本は撮影している計算。他にもユニットを組みアイドル適な活動をしていたし、グラビアの仕事もこなしていたはず。どこか仕事は選ばずっていうカンジは受けました」

単体女優のギャラは1本100万円は下らない。つまり桃井望は約2億円近くのギャラを手にしていた計算になる。その金はいったいどこにいったのか。自分の名前で勝負できる単体女優は、企画女優たちとはAV嬢としてのステイタスが違う。それでも桃井は企画モノに多数出演していた。なかには通常の単体女優ならNGの飲尿やスカトロなどのハードな作品にも出演している。

桃井は周囲の関係者と、AVをやめるやめないでもめていたという。本人自体はアイドル志望でもないので、minxをあまりやりたがっていなかった。10月15日からminxのメンバー8人でAV大作の撮影に入り、18日にはライブイベントをやる予定だった。事件直前、渡辺さんは「撮影やりたくない」とゴネて、トラブルになっていたという。

無理心中ではなく殺された[編集]

警察は、「無理心中と他殺の両方で捜査を進めている」というのが公式見解。他殺の場合は、消した後にガソリンを撒き、車ごと燃やしての証拠隠滅を図ったと、推測できるだろう。無理心中にみせかけた偽装工作の疑いが強い。AV女優の過去の事件では、元AV女優・里中まりあが暴力団にラブホテルで顔面を拳銃で撃たれて殺害された例がある(1999年3月22日)。

亡くなった男性の遺族の長谷川洋二弁護士は10月21日、無理心中ではなく殺されたとして、被疑者不詳の殺人罪で告訴する方針を明らかにした。他殺の理由として、男性が亡くなる直前まで友人とメールのやり取りをしていたことや、現場にあった包丁や灯油が入ったポリタンクの入手経路が不明な点をあげている。

「多額の借金を背負っていた」と報道された酒井が、なぜお金を貸したのか?2002年5月ごろ、近所の知人男性A氏からマルチ商法を持ちかけられ、金策に走り約80万円集めている。また、友人らも聞き覚えのない名前の男性に、酒井さんが4月末に80万円貸し、事件前の9月末に全額返済される旨が書かれた書類も見つかっているとのこと。

ある地元関係者によると、酒井さんはA氏の仕事を手伝うなどし、パチンコを教わるなどA氏やその仲間とつるんでいたという。そのうち、長野県内在住の1人が事件のあったころ、忽然と姿を消していた。

一方塩尻警察署は、あらゆる可能性を考慮して捜査しているとだけコメントしている。

亡くなった酒井の両親は「2人の無理心中は考えられない」として、また長谷川洋二弁護士は塩尻警察署に2人が無理心中に至る見解などを聞く質問状を提出した。長谷川弁護士が塩尻署を訪れ、質問状の回答を尋ねた。警察の回答は「無理心中とする根拠は捜査中のため答えられない」という。

翌年の2003年4月、遺族らが殺人事件としての捜査を求める1万人分の署名を田中知事に手渡している。

2007年に事態は変わる。酒井さんの遺族が、自殺として保険金を支払わない保険会社を相手取って、2003年12月に民事訴訟を起こした。男性が契約していた保険会社は「支払い責任開始から2年以内の自殺(心中)だから支払い義務はない」と保険金支払いを拒否したので、男性の両親は「何者かに殺害された」として、保険会社に支払いを求めていた。

その判決が2007年の1月23日い長野地裁飯田支部であった。裁判長は状況証拠を精査した結果、「第三者である何者かに殺害されたと考えるのが自然。他殺であると認められる」と結論づけた。この判決は県議会でも取り上げられ、警察は捜査態勢の見直しを迫られた。

素人が見ても、あきらかに他殺と思える事件。警察が、何も情報を掴んでいないとは考えられない。とすると、これはわかっていても未解決とするしかない何らかの内部事情があったのか?

現在に至るも事件の全貌は明らかになっていない。