自警団

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

自警団(じけいだん)とは、権利の侵害が強く想定される場などにおいて、司法手続によらず自らの実力行使をもって自己および共同体の権利を維持確保するために結成される組織。

概要

自警団とは自力救済の発露の一つ。司法制度が整備された近代以降はほとんど存在していない。しかし、大災害や戦争時などのように局面において警察治安機関が機能していないと民衆が判断した場合に自衛のためとして自警団が結成されることがある。中には、専門化・プロ化してミリシアへと成長するものもある。

日本でも関東大震災の際に東京などで自警団が結成されたことや、第二次世界大戦後の混乱期にヤクザを中心とした自警団が結成され、治安機関と協力して闇市の秩序維持等に携わったことなどの事例が挙げられる。

こうした混乱期の自警団は、司法が機能不全を起こしたときの存在であるため、必ずしも法に則った自警行為が行われる訳ではなく、「自警」の名の下で違法行為が多発する。関東大震災時に自警団がゼノフォビアに基づき多くの朝鮮人中国人、果ては言動が不明瞭な日本人を殺傷したのは、この一例である(千田是也の事例など)。かかる例は世界中で見られ、現在では大規模な虐殺事件等が発生した場合、国軍や警察そのものが関与する例は少なく(直接手を下さないだけで、死の部隊などや警察が黒幕となっている例は多い)、自警団が主体となることが多い。旧ユーゴ内戦ルワンダ内戦での虐殺行為等も、扇動された自警団と民兵が引き起こした例がほとんどである。

上記のような緊急時に結成される自警団のほか、共同体の成員が共同体維持のため持続的に結成している自警団もある。この自警団は「共同体維持のためのボランティア組織」となっている。治安が悪化している大都市部(ニューヨークなど)において有志によって結成されているガーディアン・エンジェルスはその一つである。日本においても大規模災害対策への認識が高まっていることや犯罪検挙率が低下していることなどを背景として、自主防災組織・自主防犯組織などのように、共同体維持のための住民による自主的な組織化への動きが活発化しつつある。しかし現実の運用では混乱期の自警団と同じく、必ずしも法に則った自警行為が行われる訳ではない。

現代日本社会においては一部特殊な場合を除き、自警団は商店街の風紀取締りなどの自発的ボランティア活動の一環として認知されている。前述したように自警団の構成員そのものに国からの正式な法的権限が存在しない場合が多い。従って構成員に拳銃及び刃物の危険物所持は認められていない。自警団の構成員が相手に対し何らかの暴力を振るう、あるいは集団で威圧した場合は警察からの逮捕任意同行の対象になりうる。

電子自警団

20世紀後葉から21世紀初頭にかけて、世界を覆う電子ネットワーク社会(インターネットなど)が急速に構築されているが、その進展度があまりにも急速であるため、電子ネットワーク社会で発生する様々な事象に対処しうる法整備は立ち遅れていると言われている。そうした中、自力救済を目的として、電子ネットワーク上の猥褻図画や誹謗中傷を除去したり荒らし行為を排除する「電子自警団」「ネット自警団」と呼ばれる存在が現れている。

これらの電子自警団は、電子ネットワーク社会の秩序維持に貢献する反面、リアルの自警団同様の様々な問題を抱えている。

  • 個人掲示板等の管理者に対して無断で画像を排除したりするなど、越権行為に走る。
  • 先輩風を吹かせて、「一見さんお断り」的な排他的体質を醸成させ、場の雰囲気を悪化させる。
  • 自分達の自警団活動に反対したり、気に入らない利用者を荒らし扱いにして排除する。

もちろんウィキペディアも例外ではなく、荒らし排除を標榜するユーザが、「自警に名を借りた荒らし」だとコミュニティの反発を買うこともしばしばである。de:Selbstjustizfr:Auto-justice ga:Grúpa forairdill id:Vigilante it:Giustiziere no:Selvtekt pt:Justiceiro (auto-justiça) sv:Vigilant